【競馬検証シリーズvol.1】|「夏は牝馬を買え」の格言は本当? その理由は?

【徹底検証シリーズvol.1】 | 「夏は牝馬」の格言は本当か!?
検証シリーズ

「夏は牝馬を買え」
競馬ファンなら一度は聞いたことがある、最も有名な格言の一つではないでしょうか。

そんな格言ですが、実際のところ本当なんですかね?
他のサイトやYahoo知恵袋でも、人によって意見が割れているような気がします。
こっそりTwitterでアンケートを取ったところ、肯定派も否定派もいらっしゃるようでしたので(肯定派の方が少し多いですね)、2021年夏、この議論に白黒つけようと思います🔥


過去5年分のデータを参照しています。
※どれだけ回収できるかを知りたかったので、成績は複勝回収率を参照しています。
※セン馬は牡馬の実績に含まれます。

「夏は牝馬を買え」は本当か

下のグラフは、牡馬(緑)/牝馬(オレンジ)別の複勝回収率です。薄いグラフが月別の成績で、濃いグラフが季節別の成績になります。
「夏は牝馬」は本当か!?
グラフにすると非常に分かりやすいですが、基本は牡馬の方が成績がよく、唯一夏のみ牝馬が牡馬の成績を上回っていることが分かります。
もう結論出ちゃいましたが、「夏は牝馬を買え」は正しいようです。

と、問題はここからですよね。ではなぜ夏は牝馬の方が成績が高くなるのでしょうか

ネットを見ると本当にたくさんの説があり、「ハンデ戦が多いから」のような、一見的を得ていそうな説もあれば、「夏は睾丸が気になって牡馬が走りにくいから」みたいな突飛な説まで様々でした。いや睾丸て、、、真実は馬のみぞ知る、、、
明確な根拠を示して結論を出しているサイトは少なそうでしたので、今回は過去のデータを用いて、いろいろな切り口から考えたいと思います!



「夏は牝馬を買え」の理由

ここからは、「夏は牝馬を買え」の理由として挙げられている主要な説を検証していきます。

説1.ダート戦が少ないから

夏はダート戦が少ない→ダートに強い牡馬の成績が下がり、牝馬の成績が上がる、という説ですね。
「牡馬の方がダートに強い」はその通りだと思いますが、どうでしょうか。

まず、本当に夏にダート戦が少ないのか調べる必要があるでしょう。月別/季節別のダート戦のレース数を下でグラフにしてみました。
ダート戦 レース数
どうやら「夏にダート戦が少ない」は正しいようです。

続いてダート戦の牝馬の季節別成績を見てみましょう。
ダート戦回収率
こちらのグラフを見るとわかるように、ダート戦であっても夏はしっかり牝馬が強いのです。
したがって、確かに夏にダート戦は少ないものの、そのことが「夏は牝馬」の理由ではないということになります。
もし「夏にダート戦が少ない」ことが理由ならば、夏のダート戦の回収率も低いはずですからね。

説2.夏にハンデ戦が多いから

ハンデ戦が多い→比較的斤量の軽い牝馬が好走する
なんだか筋が通っている気がしなくもないですが、そもそも夏ってハンデ戦多かったでしたっけ?🤔
ハンデ戦数
そこで季節別のハンデ戦のレース数を調べてみましたが、やはり夏にハンデ戦が多い事実はありませんでした。
というかむしろ夏が一番少ないですね、、、夏にハンデ重賞が多いイメージがあるので、このような説が生まれたのかもしれません。

ということで、こちらも理由としてはボツです。



説3.夏競馬のコースが得意だから

続いては、夏競馬が開催されるローカルの競馬場が牝馬に有利だから、という説です。

こちらも調べてみたものの、中央の競馬場における牝馬の複勝回収率は71%、ローカル競馬場は72%であり、大きな差はありませんでした。
グラフを使うまでもなく、こちらも「夏は牝馬を買え」の理由としては不適切です。

説4.新馬戦が多いから

これもよく見る気がします。牝馬の方が仕上がりが早いため、牝馬の回収率を底上げしているという説ですね。

確かに新馬戦が行われるのは夏競馬からだしなぁ、、、と一瞬納得しかけましたが、よくよく考えれば、新馬戦のレース数なんて多くて12レース中2レース。
例えその2レースで牝馬が圧倒的に強かったとしても、それだけで牝馬全体の回収率を底上げできるとは考えにくいですよね。
したがって、こちらも理由としては正しくありません。

※念のため新馬戦の月別/季節別成績を調べてみましたので、参考までに置いておきます。夏だけが飛び抜けて回収率が高いということはなさそうです。
新馬戦回収率

説5.馬体重が軽いから

ここまでもったいぶった書き方してすみませんでした(笑)
かなり引きずりましたが、結論からいうと、この説が「夏は牝馬を買え」の本当の理由だと考えています。

450kgを区切りとした馬体重別の成績をみてみると、牝馬の場合は次のようなグラフになります。
緑色のグラフは馬体重450kg以上、オレンジのグラフは馬体重450kg未満の牝馬の成績です。
馬体重別成績 牝馬
やはり牝馬は夏に成績が高く、、、ってあれ???
馬体重450kg以上だと、牝馬でも夏に成績が高くなっていないことが分かります。

続いて牡馬も見てみましょう。
馬体重別成績 牡馬
冒頭で見たグラフの通りであれば夏は牡馬の成績が落ちるはずですが、馬体重450kg未満の場合は高い回収率を維持できていますね。

以上の2つのグラフから分かるように、牡馬・牝馬ともに、夏は馬体重が軽い、小柄な馬の成績が高くなるのです。

もう勘の鋭い人はお気づきなのではないでしょうか。
夏は馬体重が軽い方が有利である以上、牡馬に比べて小柄な牝馬の成績が高くなるのは当然ですよね。

これこそが「夏は牝馬を買え」のカラクリでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今回のまとめ

✔︎「夏は牝馬を買え」は正しい
✔︎その理由は、夏は馬体重が軽い馬が有利であり、相対的に小柄な牝馬の回収率が高くなるから

第一回目の検証シリーズでしたが、データから自分なりの結論を示せたのではないかと思います。
夏競馬も真っ最中ですので、ぜひ今週末の予想にもお役立てください!

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